[読書]時間に閉じ込められて |
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| ぼくらのひみつ/藤谷 治/早川書房
こんなこと信じてもらえるだろうか。ぼくの時間は2001年10月12日金曜日の午前11時31分で止まっている。喫茶店でコーヒーを飲む、部屋に戻り昼寝をする、起き上がってぼーっとする、文章を書く、顔を洗う、町を歩く、これだけしてもずっと11時31分。そんなとき、京野今日子と出逢ったから、ぼくのせいで彼女も11時31分にとどまることになってしまった。 やがてぼくらは思い立って、ある計画を立てるのだけれど……止まっているこの時から、ぼくらはゆっくり歩き出す。 スローモーションの新青春小説。
いわゆる、藤子F不二雄が唱えるSF(すこし・ふしぎ)ジャンルになるのではないでしょうか。 永久的にループする時間は、使いようによって便利ではあるが、その代償も大きい。 彼が背負っている麻袋とは? 主人公の手記を追ってゆく形式で書かれた小説なので、感情移入がしやすいかと思います。 まさに「想像力の文学」というシリーズに適した一冊。
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6月10日(木)20:11 | トラックバック(0) | コメント(0) | つぶやき | 管理
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