オニヤンマ改変
 
音と笑いとなんじゃろね。
 



2010年6月10日を表示

[読書]時間に閉じ込められて

ぼくらのひみつ/藤谷 治/早川書房

こんなこと信じてもらえるだろうか。ぼくの時間は2001年10月12日金曜日の午前11時31分で止まっている。喫茶店でコーヒーを飲む、部屋に戻り昼寝をする、起き上がってぼーっとする、文章を書く、顔を洗う、町を歩く、これだけしてもずっと11時31分。そんなとき、京野今日子と出逢ったから、ぼくのせいで彼女も11時31分にとどまることになってしまった。
やがてぼくらは思い立って、ある計画を立てるのだけれど……止まっているこの時から、ぼくらはゆっくり歩き出す。
スローモーションの新青春小説。



いわゆる、藤子F不二雄が唱えるSF(すこし・ふしぎ)ジャンルになるのではないでしょうか。
永久的にループする時間は、使いようによって便利ではあるが、その代償も大きい。
彼が背負っている麻袋とは?
主人公の手記を追ってゆく形式で書かれた小説なので、感情移入がしやすいかと思います。
まさに「想像力の文学」というシリーズに適した一冊。




6月10日(木)20:11 | トラックバック(0) | コメント(0) | つぶやき | 管理


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